あるIT企業の働き方改革について
IT技術者の皆さんは「働き方改革」についてどのような取り組みを行っているでしょうか。
定時退社日の導入や作業時間の見える化など、独自の「働き方改革」を進めている所もあると思います。
最近、ある提携会社(A社)のマネージャさんに働き方改革についてお話を伺う機会がありましたので、
(了承の上)少し紹介したいと思います。
A社では主に以下の見直しを行ったそうです。
・業務内容を見直し、無駄な作業を省く
・連絡手段を見直し、効率化を図る
A社では従来より直接業務(何かしらの生産や成果を生む作業)と
間接作業(社内の雑多な作業などの非生産的作業)に分けて作業管理しているそうです。
「働き方改革」の第一段として、時間の掛かっている作業を明確化することに着目し、
過去2年分の直接時間と間接時間を社員毎に洗い出したそうです。
すると、作業報告書の作成やミーティングに多くの時間を割いていることが明らかとなりました。
A社では社員に週報の提出を義務付けていますが、PRJ業務に関するミーティングにも時間を
割いていることから、報告書をそのままミーティング資料として利用可能なものとしたり、
隔週の提出とするなど、思い切って報告書の作成に掛かる負担を減らすことにしたそうです。
常日頃からマネージャと開発ラインがPRJの状況について認識を合わせ、報・連・相の重要性が
全社員に行き渡っているということも判断材料の一つだったようですが、週報の負担を減らすことで
より会話の量を増やし、より深いコミュニケーションに繋がっていくことにも期待しているそうです。
A社ではWEBメールを導入しているそうですが、PRJの出向先によってはWEBメールの使用が
制限されていたり、またタイムリーに見れない状況がある為、「働き方改革」の第二弾として、
新たな連絡手段となるスマホのチャットアプリの導入を進めているそうです。簡単な内容や一方通行の
周知などはチャットアプリを利用することでストレス無く連絡出来、またスピード感のある意思決定も
出来ることから社員からの評判は上々のようです。
またメールの誤送信問題などのセキュリティ対策としても有効な手段の一つとして、会社全体への
普及を進めているとのことです。
このようにA社では「働き方改革」として社員一人ひとりの生産性の向上に力を入れており、
少しずつですが、社員の残業時間の削減に繋がっているようです。
個人の頑張りや働きが確実に報われることを目標に、今後も取り組みを続けていくとのことです。
「働き方改革」の取り組み方や進め方はそれぞれだと思いますので、全ての人や企業に当てはまるものでは
ないかもしれません。中には企業の事業形態上、出向先での働き方改革は、客先側の勤務形態に縛られる為、
取り組むこと自体、難しい面もあるでしょう。一方では、出向先の働き方改革にそのまま乗っかっている方も
いらっしゃるかもしれません。
今回は、A社のように身近な所から現状を分析し改善点を見つけ、取り敢えずやってみる、という姿勢に
感心しましたので紹介しました。言葉にするのは簡単ですが、行動に移すのはなかなか大変なことだと思います。
企業としての取り組みでなくとも、個人の中で何か出来ることが無いか、今一度、振り返ってみるのも
良いのではないでしょうか。